「三島由紀夫VS東大全共闘-1969-2000-」 三島由紀夫 藤原書店 読了。
12 hours ago
「ちくま哲学の森 3 悪の哲学」 筑摩書房 読了。
4 days ago六十九年二月二十一日、日比谷公会堂では午後五時から
「全国労学市民連帯集会」が開かれていた。
七時すぎ、予定されていた報告がひと通り終わった頃
突然歯切れのよい司会者の報告。
「ただ今全共闘の山本くんが官憲の網を突破して到着しました・・・・」
逮捕状が出て潜行していたが、巧みな演出で
久しぶりに山本義隆が壇上に姿を表した。
彼はそこで、延々四十分にわたる長い演説を行った。
きちんと食事がとれているのか、運動不足のせいか、
彼がいくらか肥えて、白いつややかな顔色をしている。
控え室で椅子に座る彼の背後から
「山本、覚悟してくれ」という声がかかった。
彼は静かにうなずく。
そして私に「カミさんによろしく言ってくれ」と、ひとこと言った。
一九六十九年9月5日、潜行二百二十七日目。
日比谷野外音楽堂、有楽門にて公演前に
山本義隆は逮捕される。
「彼、何やら、全共闘とかいうのの代表になったらしいねん」と
美智代さんが淡々と言った。
ある日、安田講堂にこもる義隆さんに
彼女が着替えを届けに行くというので、同行した。
アパートで見る、学者風な相貌とはまったく異質な
いくぶん痩せや義隆さんがそこにいた。
安田講堂は騒然としていたが、
机、椅子などは機能的に配置されている。
ガリ版を切るもの、大きな身ぶりを挟んでケンケンゴウゴウの議論をする者、
チラシを読む者、ずっと前からそうしてるように、漫画本に熱中する者。
長椅子をベッドにして、布団の中から規則的にひびく寝息。
教室とは違う、闘うための生活空間があった。
私の中に内在していた反骨精神やユートピア志向が
外へ引き出されていくような気がした。
美智代さんのパートナーとして見かける彼と
安田講堂という闘争の拠点で日常を過ごす彼。
本来なら非日常である学生運動が、いつのまにか日常になっていることに、
撮るという欲求を掻き立てられたのも確か。